椎名書店
暇だから (1/8)
マッチ一本で全焼しそうな
木造80年のこの椎名書店
亡き祖父の願いも虚しく
"本の匂い無理"その理由で親父は跡継ぎを却下。
それから親父は"電車の中に傘忘れた"と出たまま帰って来ず、母は"銭湯に行ってきます"と行ったきり姿を消した。
「ふぁー…眠」
かれこれ二年前の事。
印刷会社に勤めていた俺は、この店をどうする事も出来ず、退社し今に至る。
そんな俺は27になった。
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