京都府 (31/33)


喪服の男は少し屈むと
ちづの指を離し始めた。

1本ずつ1本ずつ。

そのたびにちづの顔が
変わっていく。
けれども最後の1本になっても
涙は流さなかった。



最後の指が離れる瞬間
俺を見てにこっと笑った。





そしてちづは静かに流されていった。